(wrote by Rika Asano)
「一人で看病してきて大変でしたね」
家族の入院先の看護師さんが、重い荷物を受け取りながら何気なく放った「ひとこと」にどれほど救われたか。
そう中林里花さんは話してくれました。一瞬にして孤独感から解放されたのだろうな、少しの間立ち尽くしたかもしれないな。
とけていくようなその感覚が手に取るように分かったのは、夫の看病から看取りの過程で私、浅野里香にも同じ経験があったからです。
東日本大震災の復興支援でともに活動してきた中林さんから「言葉」を届ける活動を一緒にしないかと誘われたとき、だからとてもすんなりと「ああ、それは私がしたかったことでもあった」と感じることができたのかもしれません。
生きていれば本当に様々なことが起こりますよね。
まるで「すごろく」みたいに。
現実を受け止めきれずに前を向けない時もある。
でもそんな時、誰かのたった「ひとこと」に救われることが、本当にあるんですね。
「ひとこと」に背中を押されたこともありました。
「ひとこと」が道を照らしてくたこともあります。
生きづらさを増すこのコロナ時代に、私たちは自分を支えてくれた多くの「ひとこと」を、世の中に送り返す「場」を作ろうと思いました。
パートナーとしてお呼びするゲストは、自分の言葉で思いを語る人たちです。
ラジオというメディアで「言葉」をとどけ、伝えきれなかった思いは「文字」に残します。
すごろくラヂオ、通称「すごラヂ」。サイコロの目をすべて足すと21になります。だから毎月21日に配信することにしました。
なにかひとこと、心の琴線に触れる言葉を受け取ってもらえたら、こんなにうれしいことはありません。